自然と共生しうる文明への回帰

 最近、哲学者 梅原猛氏の講話集
「わが人生を語る」12巻を拝聴した。

 日本文化の深層を解明する幾多の
考察から「梅原日本学」と呼ばれる
内容に接することができた。
https://twitter.com/ucan_shop/status/795536561983078400

 特に12巻「人類哲学序説」~人類が
生きのびるために~で広い視野から
強調されている内容に少なからぬ
インパクトを受けた。


 牧畜を基盤としたユダヤやギリシャ
文明を受け継いで生じた西洋哲学。
その祖・プラトンの人間中心主義の
思想がデカルトにより明確にされて
近代思想が確立。これに裏付けられた
理性(ヌース)による自然の絶対的支配
が現代文明の本質
であり、自然支配の
道具として科学技術の凄まじい発展に
つながり結果として人類に大きく貢献
したのは事実。

 しかしその一方で急速な自然破壊が
進み、多くの動植物が絶滅しており
地球規模での負の変化が進んできた。

 いまこそ人間中心主義の自然を支配
する現代文明から自然と共生しうる文明へ
戻るべき時期が来ていると訴えている。


 歴史上、日本の基層文化である
長く続いた狩猟採集文化(縄文文化)が、
伝来した仏教に影響を与え芽生えた
「草木国土悉皆成仏」の考えに回帰
すべきという。これからは人間中心主義を
克服し動物、植物、鉱物までも共存できる
世界観を確立していくことが喫緊の課題
としている。


 問題は、ここまで便利になった現代から
狩猟採集生活にもどることは不可能だろう。
けれども、このまま現代文明が反省なしに
進んでいくと人類は、絶滅の危機に瀕する
のではないだろうか・・・

 どうすれば自然と共存できる世界観を
侵透させていくことができるのだろうか。
人類の思想的使命は、西洋近代思想を
克服して新しい文明の原理を作ることだと説き
老骨に鞭打って活躍している梅原氏に乾杯!!

http://www.n-fukushi.ac.jp/pr/chi/umehara/page02.html



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梅原 猛

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ユヴァル・ノア・ハラリ

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この記事へのコメント

MY
2018年03月05日 09:29
一度力を身に付けた権力者は権力拡大をめざす。
生命や宇宙の摂理に近づいたものは遺伝子組み換え技術や核爆弾を造ってしまった。
やがてクローン技術や光子爆弾も手に入れるに違いない。
人類は自ら滅亡へのカウントダウンのボタンを押してしまった。
今こそ自戒の念を込めて人間中心主義の克服へと進むべきですね。この年になって解ったことですが。
とは言え、時代の流れに日常的に逆らうのは非常に大変なことでね。
熊菩薩
2018年03月05日 21:55
MYさん、コメントありがとう。
そうですね。時代の流れに日常的に逆らうのは大変ですよね・・・
ま、やれる範囲で問題に目を向け「一隅を照らす」気持ちで努力しましょうね。

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